ASAKUSA館 in 光州ビエンナーレ『The Step After the Last Step』

ハイドルン・ホルツファイント、菊地智子、小宮りさ麻吏奈、イ・ジュヨン、嶋田美子

キュレーション:アサクサ館 in 光州プロジェクトチーム(大坂紘一郎、三上真理子、根来美和、丸山美佳)
2026年9月5日(土)〜11月15日(日)
*毎週月曜日 9月24〜26日 10月9日は韓国の祝日のため閉廊

SEP

05

-

NOV

15

2026年9月4日(金)15時〜17時
オープニングレセプション及び展覧会ツアーを実施いたします。


東京西浅草にある木造家屋を改装したプロジェクトスペース・アサクサは、2015年の設立以来、共同キュレーションと批評的対話を推進するプロジェクトスペースとして活動してきました。地域文化の息づく下町に根ざし、東アジアの地政学的課題を含む社会的テーマを扱いながら、国内外のアーティストや研究者による先鋭的なプログラムを、プロジェクトごとに編成される少人数チームによって展開してきました。

2026年9月5日から11月15日まで韓国・光州にて開催される光州ビエンナーレでは、このアサクサを一時的なポップアップ形式の「アサクサ館(パビリオン)」として、韓国・光州の歴史文化地区にある楊林文化センター(Yangnim Cultural Spring)に再構築します。アートスペースが国境や制度的枠組みを越境するその行為自体を、自己省察的なキュレーションの思考的萌芽として、展覧会という形で提示します。

展覧会『The Step After the Last Step』は、映像、写真、漫画、日記、手紙という様々な媒体を通して、歴史的動乱のただ中で国家装置による統治に抗おうとする個人や運動̶̶アナーキスト、覇権に抗う思想家、分断を生きる人々、そしてオルタナティブな知の場を開こうとする共同体の存在に光をあて、ジェンダー、セクシュアリティ、階級といった社会的属性が、労働、選択肢の有無、移動の条件といかに交差してきたかを問います。

出展作家は、ハイドルン・ホルツファイント(1972年リエンツ生まれ、ベルリン在住)、菊地智子(1973年東京生まれ、東京・北京・ソウル在住)、小宮りさ麻吏奈(1992年生、アトランタ出身、東京在住)、イ・ジュヨン(1970年ソウル生まれ、同地在住)、嶋田美子(1959年生、千葉在住)の5名です。1950年代から1990年代生まれと異なる世代を代表する作家たちは、近代以降の政治的、社会的権力の元で形成されてきた支配、衝突、分断、そして忘却の構造が、現在の日常の内部に潜在的な構造として持続し、いわば亡霊的残滓として現前する様相に批判的に取り組んできました。

「アサクサ館(パビリオン)」では、公式な記録に十分に残されてこなかった越境の経験やクィアとしての生が、「不可読な存在」たちの語りとなって、民衆運動の要地である光州の展示空間に残響します。

*本プロジェクトは、主催する4名のキュレーターによる無償の労働と個人の貯蓄を等しく持ち寄ることで、そして参加アーティストたちが持つリソースによって実現しています。本展の趣旨にご賛同いただき、ご支援をご検討いただける方は、ぜひこちらよりご支援をお願いいたします。

ASAKUSA館応援サイト:https://asakusapavilion-gb16.stores.jp/

参加アーティスト

ハイドルン・ホルツファイント(1972年、リエンツ生まれ、ベルリン在住)ベルリンを拠点とするアーティスト、映画作家。ウィーン美術大学とニューヨークのクーパー・ユニオンで学ぶ。建築が人々の日常生活とどのように関わるかに興味を持ち、内在的な建築的・社会的ユートピアに疑問を投げかけながら、歴史とアイデンティティ、個人の歴史と現在の政治的物語との関係を探求している。

菊地智子(1973年東京生まれ、東京・北京・ソウル在住)急速な近代化によって生まれた社会のさまざまな「狭間」で、孤独や矛盾を抱えながら懸命に生きるLGBTQの若者たち、ドラァグクイーン率いる農村部の葬式楽団など、被写体と共同生活しながら制作する。主に写真を用いて、周囲の圧力や矛盾のみならず、内なる自己の境界線を乗り越えて自分らしく生きる人々の不屈の精神の視覚化する。

小宮りさ麻吏奈(1992年アトランタ生まれ、東京在住)クィア的視座から浮かび上がる新たな時間論への関心から「新しい生殖・繁殖の方法を模索する」ことをテーマに、インスタレーション、映像、花屋、クィア・フェミニスト・プラットーフォーム「FAQ?」など多様に展開しながら、テクノロジーが介入する生産性、セクシュアリティ、身体性の問題を浮かびあがらせる。漫画家としても活動し、既刊に『線場のひと』(リイド社)。

イ・ジュヨン(1970年ソウル生まれ、同地在住)インスタレーション、ビデオ、ドキュメンテーション、出版など幅広い活動を通して、土地と歴史の複雑な関係性を探求し、個人と公共領域の境界を問いかける。近年は、ジェンダー化される労働と環境問題に目を向け、海藻をメタファーとしたインスタレーションやテキスタイル作品を制作。地域の人々とのワークショップや他アーティストとのコラボレーションを通した協 働的な制作活動を行っている。

嶋田美子(1959年東京生まれ、千葉在住)フェミニズム、美術史、戦争責任などを主題に、1990年代初頭より、戦時性暴力や植民地主義を扱った作品群を発表、日本の戦後史やジェンダー表象を批判的に問い直す。1998年よりBubu de la Madeleineと協働するなど、近代化や帝国主義を諧謔的に脱構築する作品を発表。また、1960年代から1970年代におけるオルタナティブな美術教育や社会運動に関する研究を続けてい る。
関連イベント

オープニングレセプション及び展覧会ツアー
日 時:2026年9月4日(金)15時〜17時
会 場:楊林文化センター(韓国光州市南区西書平路30)

展覧会

『The Step After the Last Step』
2026年9月5日 (土)〜2026年11月15日 (日)
10:00-17:00 (火曜日〜日曜日) **毎週月曜日 9月24〜26日 10月9日は韓国の祝日のため閉廊
会場:楊林文化センター | 韓国光州市南区西書平路30
主催:アサクサ実行委員会
参加アーティスト:ハイドルン・ホルツファイント/菊地智子/ 小宮りさ麻吏奈/ イ・ジュヨン/ 嶋田美子
キュレーター:アサクサ館 in 光州 プロジェクトチーム(大坂紘一郎/ 三上真理子/ 根来美和/ 丸山美佳)
支援:光州ビエンナーレ財団/ 株式会社エディット(深井厚志)/ オーストリアケルントン州文化芸術部
協力:遠藤麻衣/ 森山𣳾地
謝辞:百瀬文/ Steve Seongmin Ju/ Lim Kyung Yong/ Sanghyeok Lee/ Kyungrim Lim Jang/ 白木麻子/ 高橋雅之/ 本間公子

お問い合わせ

ASAKUSA館応援サイト:
https://asakusapavilion-gb16.stores.jp/
ASAKUSA館 in 光州プロジェクト:
asakusa.pavilion@gmail.com
その他: team@asakusa-o.com

キュレーター

大坂紘一郎 インデペンデントキュレーター、ライター、キュレーションスペース「ASAKUSA」代表。アーティストとの制作プロジェクトや展覧会企画の主宰・運営に携わる傍ら、京都芸術大学や韓国芸術総合学校でキュレーション学を教え、東アジアの新進キュレーターやアーティストの支援を行う。近年では、ソウル美術館およびソウル・メディアシティ・ビエンナーレとの協働により、キュレーター向けシンポジウム「YANARI」を企画(東京写真美術館、2025年)。セントラル・セント・マーチンズ(ロンドン芸術大学)にて、美術批評・キュレーション学科専攻卒業、社会参加型パフォーマンス学科修了。現在は、シンガポール国立大学にて比較アジア研究の博士課程に在籍中。

三上真理子 東京とデュッセルドルフを拠点とするプロデューサー、キュレーター。異文化への憧憬や衝突、越境のなかで生じる変化、作品が生まれ、移動し、受容されていく過程、プロジェクトを取り巻く労働や制度に関心を寄せ、展覧会・作品制作、翻訳、編集、リサーチなど、国内外で数々のアートプロジェクトに携わる。 2017年よりアサクサに参加し、主に来日招聘プログラムを通じて、アントン・ヴィドクル、ミン・ウォン、イム・ミヌク、メタヘイブン等の作品・展覧会の共同企画・実行に携わる。近年の活動に「泉太郎:ex」展(ティンゲリー美術館、2020)「オモシロガラ」展(DKM美術館、デュイスブルク、2021)「ミン・ウォン:Rhapsody in Yellow」(steirischer herbst、グラーツ他、2022〜)「THORNITURE by FAMEME」(東京都現代美術館、2025)など。東京大学大学院総合文化研究科にて比較文学・比較文化を学び、学術研究支援機関での勤務を経て、独立して活動。

根来美和 ウィーン、ベルリン、大阪を拠点にキュレーター、研究者として活動。展覧会制作、アーティスティック・リサーチ、ドラマトゥルギー、執筆、翻訳など多岐にわたる活動を行う。主な関心は、身体のパフォーマティビティや脱植民地主義的思考、近代性、 歴史の再編成をめぐるディスコース。2019年から 2021年にかけて、チューリッヒのOnCurating Project Spaceのキュラトリアルボードメンバーを務め、現在は非営利組織「AWARE: Archives of Women Artists Research & Exhibitions」の編集チームの一員としても活動している。2025年、韓国国立現代美術館昌洞館にてリサーチ・レジデンシーに参加。早稲田大学創造理工学研究科建築学修士課程修了、チューリッヒ芸術大学キュレーション修士課程修了。

丸山美佳 ウィーン・松本を拠点に、キュレーター、ライター、編集者として活動。展覧会制作やZINE制作を中心に、コレクティブな芸術実践を基礎とした多岐に渡るプロジェクトを通じて、クィアフェミニスト理論とメディア文化の交差点を探求する。2018年に、アーティスト・俳優の遠藤麻衣と日英バイリンガルのアートZINEであり、リサーチ・プラットフォームとして機能する「Multiple Spirits」を共同設立。2020年より、オーストリア女性アーティスト協会(VBKÖ)のボードメンバーを務める。横浜国立大学院都市文化専攻修了(哲学)。ウィーン美術アカデミー博士課程に在籍しながら、ウィーン応用美術大学で芸術理論の講義を行う。

ASAKUSA is a 40-square-meter exhibition venue for contemporary art programmes committed to advancing curatorial collaboration and practices. The programs follow the artistic development since Futurism, Dada, Fluxus, the emergence of video art and institutional critique, while providing a historical framework to the local art context. It has worked with artists Thomas Hirschhorn, Rirkrit Tiravanija, Yoko Ono, Anton Vidokle and Hito Steyerl amongst others, while introducing Japanese early avant-garde collectives such as Mavo (1924-25) and documentary filmmakers Prokino (1929-31). Artists talks, discussions, academic symposia and publications are produced alongside these programs.

Asakusa opened in 2015, with an aim to co-curate exhibitions with researchers of diverse academic fields, and to focus on programmes which combine community-based initiatives with social and political agendas. The organisation is run by a small voluntary team —currently of two people— recruiting additional members to execute each project. This year, it launched “Asakusa Entertainments”, a serial exhibition of videos and films which critically reviews the history of mass culture and entertainment industries. The programme intends to promote discursive culture in the gallery’s neighborhoods, through inviting artists to deliver talk, performance and to produce new work in commission. Both print and digital publication of “Asakusa (Journal)” is currently under way.

Gen Adachi / Khalid Albaih / Serafín Álvarez / Aoyama | Meguro Gallery / ARCUS / Masaru Araki, Okayama University / Taka Atsugi / Oliver Beer / Pauline Boudry, Renate Lorenz / Federica Buzzi / Yin-Ju Chen / Daiwa Anglo-Japanese Foundation / Guy Debord / Vincent W.J. van Gerven Oei / James T. Hong / IM Heung-soon / Thomas Hirshhorn / Mikhail Karikis /Kawakami Laboratory / Makoto Kinoshita / Yuki Kobayashi / Lawrence Lek / Matthieu Lelièvre / LUX / Tomoyoshi Murayama / Akiyoshi Nita / Yen Noh / Eiji Oguma, Keio University / Tatsuo Okada / Toki Okamoto / Yoshua Okón / Yoko Ono / Koichiro Osaka / The Otolith Group / Luke Caspar Pearson / Raymond Pettibon / Prokino / Sanya Labour Welfare Hall Action Committee / Sanya Production and Screening Committee / Mateusz Sapija / Mitsuo Sato / SCAI The Bathhouse / Tomoko Shimizu / Santiago Sierra / Kristin Surak / Swiss Embassy, Tokyo / Rirkrit Tiravanija / Anton Vidokle / Kyoichi Yamaoka / Masamu Yanase / Héctor Zamora and more.

Current project members:
Koichiro Osaka, Mariko Mikami

Director:
Koichiro Osaka